Christmas present for you!
「芹沢君…痛いよ。」


愛梨の声にハッと手を緩めると
少し困ったように
怒ったように俺を見上げる
大きな猫のように澄んだ瞳


「ごめん…つい…。」


嬉しくて



と続く言葉は飲み込んだ



「驚いた?
急に来てごめんね。」


「驚いた…。
でも、本当は俺も行こうと思っていたんだ。」



「え?」


「アンタに会いに行こうと思ってた。」


俺は
胸ポケットから少し皺の入った

成田発アメリカLA行きの
チケットを見せる



愛梨はそれを見て
目を丸くした


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