Christmas present for you!
夜になっても
雪は降り続き

外をうっすらと
白く染め上げていく


そう言えば
クリスマスってそろそろかな?


雪乃は
自分がこの世界に来た時から
季節を計算する


正確にはわからなかったが
今頃であることは確かだった



「~♪」


降り積もる雪を見ながら
不意にこぼれたのは
有名なクリスマスソング


小さいころからよく歌って

クリスマスが近くなると
街中がこの音楽で溢れた


「何を歌っているんだ?」

その時静かに響いた
バリトンの声

振り返らなくても
声の主はわかった


「クリス様…。」

クリスはゆっくり雪乃に近寄ると
隣に腰を下ろした

そして
自分のマントを
雪乃の肩にかける


「聞かない歌だ。
雪乃の世界の歌か?」


「はい。
クリスマスソングです。」


「クリスマスソング?」


クリスは不思議そうに首をかしげる

そんな姿が
どこか幼く見えて雪乃は微笑んだ

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