ハ・ジ・メ・テ!

(え?)


呆気にとられた私の横を段ボールが行き来する。


「姉貴…邪魔っ!!」


いつの間にか私の背を追い越した弟が私を段ボールごと小突いた。


「な、けんちゃん、生意気!!」

「はー…本当に一人で大丈夫かよ…」


けんちゃんは呆れたように玄関に段ボールを置いた。

「ちょっと待ってよ!!本当にみんないっちゃうの?」

「姉貴はまだ入学したばっかだろ?」

「けんちゃんだって…」

「来年、受験だから帰ってくるよ。」


けんちゃんは軽く手を振った。


来年って…


じゃあ半年間
この家に一人って事!?


「大丈夫よぉ〜みっこちゃんママにもお願いしておいたから〜」


ママは心配いらないわよ?と言いたげにニコニコしている。


「…大丈夫なわけないじゃん!!」


なんで
こんな平気でいられるの?


もう
やだっ!!こんな家族。

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