ハ・ジ・メ・テ!
謎な人
「さち。すげー顔だな。」
ゆうちゃんが朝から不機嫌な私の顔を覗き込む。
小動物みたいな顔は意外と女子にモテてるらしい。
「…気分は最悪だよ。」
「さちの両親、ロサンゼルス行っちゃったんだって。」
みっこはちょっと面白がってるように言った。
「え、ロス!?パパさんの仕事?」
「まぁね、帰りも未定。」
「じゃあ、一人暮らしなわけ?あぶねーじゃん!!」
ゆうちゃんのこういう所が好き。
人の気持ちをすごいよく分かってくれる。
「私はうらやましいなー親うざいもん。」
「まぁ…」
しょっちゅう家出をしているみっこは
パチンと手をたたいて、ゆうちゃんの腕に絡みついた。
「ね。男でもいた方が危なくないよね!!ゆうき一緒に住めば!?」
「ばっ///んなわけねーだろ。」
ゆうちゃんは腕に絡まるみっこを凄い勢いではがす。
「あ、やらしー事考えたでしょー。いししっ」
「なわけねぇーだろっ!!こんなガキ!!」
「子供扱いしないで!!バカッ」
ゆうちゃんなんかと暮らしたら
毎日怒られるもん。
こっちこそ
願い下げよっ。