ハ・ジ・メ・テ!

謎な人


「さち。すげー顔だな。」


ゆうちゃんが朝から不機嫌な私の顔を覗き込む。


小動物みたいな顔は意外と女子にモテてるらしい。


「…気分は最悪だよ。」

「さちの両親、ロサンゼルス行っちゃったんだって。」


みっこはちょっと面白がってるように言った。


「え、ロス!?パパさんの仕事?」

「まぁね、帰りも未定。」

「じゃあ、一人暮らしなわけ?あぶねーじゃん!!」



ゆうちゃんのこういう所が好き。


人の気持ちをすごいよく分かってくれる。


「私はうらやましいなー親うざいもん。」

「まぁ…」


しょっちゅう家出をしているみっこは
パチンと手をたたいて、ゆうちゃんの腕に絡みついた。


「ね。男でもいた方が危なくないよね!!ゆうき一緒に住めば!?」

「ばっ///んなわけねーだろ。」


ゆうちゃんは腕に絡まるみっこを凄い勢いではがす。


「あ、やらしー事考えたでしょー。いししっ」

「なわけねぇーだろっ!!こんなガキ!!」

「子供扱いしないで!!バカッ」


ゆうちゃんなんかと暮らしたら
毎日怒られるもん。


こっちこそ
願い下げよっ。
< 15 / 39 >

この作品をシェア

pagetop