ハ・ジ・メ・テ!
「アパッ!!」
そう叫んだ男の甲にはくっきりと私の歯型がついた。
「うー…痛いですよぉ。」
男は泣きそうになりながら手をさする。
なんだか言葉のイントネーションがおかしい。
「だ…誰?泥棒??」
そのわりには
若いし、
綺麗な格好をしている。
「違いますよぉ…ただの道路係です。」
「ど…道路係?」
なにそれ…
「ん?何かおかしいですか?んー…たまたま通ったんですが…」
「え、もしかして通りがかり…?」
「あーそれでっすよぉ。うははっ」
言葉を誤った男は
なんだか楽しそうだ。
日本人ではないみたいだ。
「じゃあ…なんで私のうちにいるの?」
「あー…疲れました!!休んでいます。」
彼は笑いながら玄関に腰を降ろした。
「か、勝手にうちで休まないでよ!!警察よんじゃうよ。」
「名前は?」
「は?」
「俺、ジュンソン。君は?」