語り屋
謎だ。

めっちゃ謎。超謎。

なんだこの子。

………よし。


「さぁ、変える方法を考えよう」

「こら」


立ち上がろうとした私の手首をつかむ男の子。

捕まっちゃった。


「俺の部屋に入ってくるとは…。
お前、何だ」


あ、キレてる?

怒らせちゃった?


「いや、入る気なんてなかったんです。いつの間にか入っちゃってましたみたいな。あの、今すぐ帰るんで離していただけませんか。すぐ消えるんで。本当すんませんした」

「…謝る気ねぇだろ」

「なぜバレたの」


真剣に謝ったつもりなのにナー。

もしかして…。


「……心が読めるの?」

「あほか」


ですよねー。

そんなわけないよねー。


「まだ修行中だ」

「………はぁ?」
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