語り屋
マジで?

……超真剣な顔してる。


「………マジ?」

「大マジ」


これは……中二病というものだろうか。

ありえないし。

…ていうか。


「あのー、そろそろ手、離してもらえません?」

「ダメだ。逃げる気だろう」

「逃げるも何も、逃げ方知らないし」


そういうとやっと手を離してくれた。

その場に腰を下ろす。

ふぅ。

本当に帰れるのだろうか……。

帰れなかったらどうしよう。


「で、帰りたいんだけど」

「逃げないとか言っといて、結局逃げようとしてんじゃん」


ため息をつく男の子。

本気で呆てる様子。

そのまま、男の子も浮くのをやめて胡坐をかいたまま床に降りた。
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