とある僧侶と不遜な僧侶
「無理ですよ和尚様! いくら弥昼だって、魔物が封印されているような巻物を封印しなおすなんて高度な技できるわけがありません!! それに私」
「あ~無理だね、無理無理!」
言いかけで弥昼が口を挟んだ。
こいつ! 私がこんなに真剣にかつ、必死に和尚様を説得しようとしているのに、寝っころんでやがる!!
「キミ達に封印してくれなんて言ってませんよ」
「は?」
「キミ達に封印してもらうなら、別にここだってかまわないんだから」
「はあ、それはそうですね」
「キミ達には、ある人物を探してもらいたいんだ」
「……はい」
あ~何か、嫌な予感がする……。
「封印術の生ける伝説! その名を ――宗麟和尚――!!」
和尚様から大々的には発表されたその人物は、僧侶のみならず、大抵の人間が知っているであろう大物だった。
数十年の昔、伝染病を撒き散らした『蝿の王』をたった一人で封印し、あまつさえ従えたとされる傑物。
しかしながら、それは真っ赤な嘘とされる噂もあり、前者よりも後者の方が多く信じられている。
もちろん、私もその中の一人です。
それに何より、その人物は……。
「……和尚様、その宗麟様って、確か……行方不明なんですよね?」
「行方不明っていうか、風来坊だね。世界各地を周って旅をしているらしいよ」
「行方が知れないんだから行方不明じゃないですか!! そんな人をどうやって捜せって言うんです!?」
私が思わず声を荒げると、和尚様はぬけぬけと言ってのけた。
「でも、運がよければ自宅に戻ってるはずだよ」
――いっそ清々しいわ!!
「あ~無理だね、無理無理!」
言いかけで弥昼が口を挟んだ。
こいつ! 私がこんなに真剣にかつ、必死に和尚様を説得しようとしているのに、寝っころんでやがる!!
「キミ達に封印してくれなんて言ってませんよ」
「は?」
「キミ達に封印してもらうなら、別にここだってかまわないんだから」
「はあ、それはそうですね」
「キミ達には、ある人物を探してもらいたいんだ」
「……はい」
あ~何か、嫌な予感がする……。
「封印術の生ける伝説! その名を ――宗麟和尚――!!」
和尚様から大々的には発表されたその人物は、僧侶のみならず、大抵の人間が知っているであろう大物だった。
数十年の昔、伝染病を撒き散らした『蝿の王』をたった一人で封印し、あまつさえ従えたとされる傑物。
しかしながら、それは真っ赤な嘘とされる噂もあり、前者よりも後者の方が多く信じられている。
もちろん、私もその中の一人です。
それに何より、その人物は……。
「……和尚様、その宗麟様って、確か……行方不明なんですよね?」
「行方不明っていうか、風来坊だね。世界各地を周って旅をしているらしいよ」
「行方が知れないんだから行方不明じゃないですか!! そんな人をどうやって捜せって言うんです!?」
私が思わず声を荒げると、和尚様はぬけぬけと言ってのけた。
「でも、運がよければ自宅に戻ってるはずだよ」
――いっそ清々しいわ!!