とある僧侶と不遜な僧侶
「女?」

「ええ、女の魔物と云われてますね」
私が軽く相づちを打つと、奴は何かに気づいて手を パン! と叩いた。

「ああ、なんださっき先輩が喰われろって言ってたのってそうゆう意味!?」

「は? 」

「でも先輩、気にしなくっても女にはほぼ毎晩食われてますって~。っつか食ってんだけど」

「へ?」
一瞬意味がわからず呆けてしまう。
けど……。
はっとなる!

「ち、違います違います!!! そういう意味じゃありませんっ!! いや、そういう魔物でもありますけれどもっ!!!」

「先輩ったら赤くなっちゃって可愛い~!」
そう言いながら弥勒昼は爆笑した。

(こいつ、からかいやがったな……!)

ううっ……! 屈辱!!!

「大体魔物なんてこの世にいるわけないじゃないっすか! 先輩って顔だけじゃなくって心も乙女ちっくなんすね~!」

「ああ? 今なんつった?」

「だから……」
今度は弥昼がはっとなった。
顔が青ざめていく。
それもそのはず、目の前の私から尋常じゃない怒りをこの馬鹿でも感じ取ったのでしょう。
奴はにやけた表情が張り付いたまま硬直した。

「私は女顔扱いされるのが死ぬほど嫌いなんですよこの馬鹿たれー!!!!」

ゴン!!!!
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