モンスターハンター“敬憧の背中”
「オメェ、防具は最近ウチで買ったばっかじゃねぇか
まさか、俺が売った防具が気にいらねぇってんじゃ…」
「いやいや!
違う違う!
防具が欲しいのは俺じゃなくて…こいつ!」
ニトロの両肩を掴み、自分と熊親父との間に移動させる。
「ども」
「………なんだこいつは?」
「パーティー組むことにしたんだ、こいつと」
「へぇ?こんなガキとか?」
と、熊はニトロを指差す。
「ガキじゃない!
俺はもう15歳だ」
「じゅ〜ぶんガキじゃねぇか
ったく、こんなチビ用の防具なんざウチにゃあねぇぞ
調整しなきゃなんねぇな…
チキ!ちょっとこのガキの採寸してくれ」
「は〜い
さ、お兄さん、こっちこっち」
チキはまた小走りで店の奥へと向かい、こっちこっちと手招きをした。
「え?あ、ああ」
軽く熊親父を睨んだ後、ニトロはチキの元へと歩き出す。
「おいコラ、武器はおいてけ、採寸できねぇだろが」
「ん?あ、そうか」
熊親父の言を聞き、ニトロは背負っていた大剣を無造作にカウンターの上に置く。
ドスン、という重い音が店内に響き、商品達が微かに揺れた。
その音の、なんという重厚感か。
ただ置いただけでこれなのだ、もしこれを力一杯叩き付けたら…、一体どれだけの破壊力があるのか、想像だにできない。