モンスターハンター“敬憧の背中”
「随分とまぁ、面白い奴を見つけたなぁ」
ニトロが去ったのを見届けた後、熊親父は【研石】を準備しながらそう言った。
「だろ?」
ニッと、ヒューズが愉快そうに笑う。
「最初見た時ゃ驚いたぜ…
あんなインナーしか着てないようなガキが《ブレイズブレイド》を持ってやがんだからな
新米ハンターが持つにしちゃあ、ちょっと上等過ぎる代物だかんな」
「……しかし、スゲェ使い込み方だ
こりゃあ10や20じゃきかねぇぞ……飛竜を斬った数はよ」
傷だらけの大剣を【研石】で研ぎながら、熊親父が呟いた。
【研石】を一つ使ったにも関わらず、《ブレイズブレイド》の切れ味は、また最大にならなかった。
新たな【研石】をカウンター下から取り出し、熊親父は作業を再開した。
「……よぅし、ようやく地金が見えて来たな」
二つ目の【研石】を使い切るかそこらのところで、《ブレイズブレイド》は光沢を持ち始めた。
その輝きは、刀身に使われている【マカライト鉱石】と【大地の結晶】、二つの鉱石から発せられるものだった。