モンスターハンター“敬憧の背中”
◇
「ふわ……
お兄さん意外にマッチョだね」
「ん?うん、まぁ筋トレは人一倍やってたからなぁ」
さらりと言うニトロ。
自分で言うだけのことはあり、半裸になったニトロの肉体は、あたかも幾重にも城壁を重ねられた肉の城。
俗に、幼い頃に筋肉を付け過ぎると身長が伸びないと言われるが、ニトロが正にそれであった。
武器屋として数多くの男達の身体を見て来たチキならば、一見しただけで、ニトロが瞬発力と持久力の両方に長けた理想的な筋肉の肉付きをしていることを、容易に看破できた。
それほどまでに、ニトロの肉体の完成度は高かった。
「ハイ、バンザ〜イ」
「バンザ〜イ」
チキの声に呼応して、バンザ〜イとニトロは両手を挙げる。
その懐に潜り込んで、チキがニトロの胸囲をメジャーで測る。
その後も、チキは次々と手際よく、ニトロの身体の様々な部位を採寸していく。
「……そういやさ」
「うん?」
腰回りを測りながら、上目使いでチキは聞き返す。
「自己紹介、まだしてなかったよね?」
「あ、そういえば」
そう言って、スックと立ち上がるチキの背丈は、小柄なニトロの胸の高さ位だ。
「俺はニトロ・ストレングス、よろしく」
「チキはチキ・チッキ
よろしく、お兄さん」