モンスターハンター“敬憧の背中”
VS大怪鳥
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馬車に揺られること1時間、既に二人は狩場にたどり着いていた。
今回のクエストのフィールドは“森丘”、フィールドの半分が森に覆われていて、残り半分は断崖絶壁を有する丘という構成の狩場、天気は晴天だ。
キョロキョロと辺りを見回すニトロと違い、着くや否や“ベースキャンプ”にある支給品ボックスをせわしなくまさぐるヒューズ。
「オラ、何キョロキョロしてんだよ
早くしろ、時間ねぇんだから」
ハンターが一回のクエストにて活動できる時間は決まっている。
狩場はモンスターが溢れていて非常に危険で、ギルドの馬車もその例外ではない。
ハンターを街から狩場へ、そして狩場から街へと送り届ける馬車、その馬車が危害を加えられないよう、こういった規則が存在するのだ。
勿論、馬車のみならずハンター自身のことを守る為の規則でもあるのだが。
馬車を運転するのは『アイルー』という猫型モンスターで、非常に人懐っこいモンスターだ。
彼らは時間が来たら、例えハンターが乗っていなくても街への帰還を始めてしまう。
だから、ハンター達は限られた時間内でクエストをこなさなければならない為、迅速な行動を心掛けねばならないのだ。