モンスターハンター“敬憧の背中”
「…ねぇ」
「はい?」
「この、HRって何?」
渡された用紙をしげしげと眺めた後、少年がそう受付嬢に問い掛けた。
「えと…それは、ハンターランクのことですね」
「ハンターランク?」
「はい、読んで字の如し、ハンターの階級を表すものです
ハンターランクを知らないってことは…HR1ですね1って書いておいて下さい」
「了解、1…っと」
「他にわからないところはありますか?」
「ん〜…とりあえずは大丈夫、かな」
「じゃあ、全部書けたら教えて下さい」
「あいあい」
少年はギルド登録用紙に次々と書き込んでいった、ペンの走りは速い、まぁ、お世辞にも綺麗な文字とは言えなかったが。
項目は五つ。
名前、年齢、HR、使用武器、パーティー登録の有無(登録済みの場合、そのパーティー名も記入)だ。
「…いぃよし、書けたっと
はい」
少年が受付嬢に用紙を渡すと、少し眉をしかめながら受付嬢はそれを目で確かめた。
「はい、OKですね
じゃあ、確認します
パーティー登録なし、使用武器は大剣、HR1、年齢15歳、名前は…ニトロ・ストレングス
以上で間違いないですか?」
「うん、それでよろしく」
少年、ニトロは、にこやかな笑みを浮かべ大きく頷いた。