モンスターハンター“敬憧の背中”
 
「じゃあ、まずはコツコツとこういうクエストからやって下さい
討伐クエストではないからと甘く見てはいけませんよ、本来は複数人で受けるクエストなんですから」

「…は〜い」

わかりやすい位に肩を落とすニトロ、その様子を見てハンター達がニヤつく。

「………」

受付嬢もまた、そんなニトロを無言で凝視する。

「?
なに?」

視線に気付いたニトロがそう問うと

「……飛竜討伐クエスト、今すぐ受けようと思えば受けられなくはないですよ」

と、受付嬢は抑揚のない声でニトロにそう告げた。

「えっ!?
マジでっ!?」

「マジです」

軽く口端を持ち上げながらそう答える、こんなことを言い出したのは、おそらく、あまりに落ち込むニトロを見ていられなかったからだろう。

「パーティー登録をするんです」

「パーティー登録?」

「はい、実績のあるパーティーに入れて貰うか、もしくは実績のあるハンターと新しくパーティーを組むのなら、その実績次第で難しいクエストも受けられるようになります」

「おお!
それだ!」

「ただ、自分から言い出しといてなんですけど、貴方知り合いのハンターとかいますか?」

「いない!
でも、今から探す!」

「今から…」

「ああ!
どの道いつかは仲間を探そうと思ってたんだ
ちょうどいいや、今探しちゃうわ」
「その必要はないぜ」

「っ!?」

不意に背中から掛けられた声に振り向くニトロ。

「パーティーなら俺が組んでやるよ
なぁ、坊主」

そこには、見知らぬ男が一人立っていた。
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