モンスターハンター“敬憧の背中”
「ヒューズさん…」
「ヒューズ?」
受付嬢の言葉を反芻するニトロ。
「よ、パティちゃん
今日も可愛いね」
ヒューズと呼ばれた男は、軽い口調で片手を上げながらそう返す。
身長はニトロよりは高いが長身という程ではなく、細身な身体付きは、力仕事には向きそうにない。
淡い茶髪、小さい輪郭の中で、少し大きめな鼻と唇が目立っていた。
歳の頃はニトロより少し上位だろう、成人しているかどうか微妙なところだ、分類するならニトロと同じく若手ハンターの部類に入るだろう。
「なぁ坊主、ちょうど今一緒に組む奴を探しててな、どうだ、俺と組まないか?」
「…アンタと組んだら、飛竜と戦えるのか?」
「あぁ、ま、勿論おまえの実力次第ではある…が、ま、おまえ一人でやるよりゃ飛竜と早く戦えるように確実になるさ
なんたって、俺は『リオレウス』を倒した男だからな」
フフン、と鼻を鳴らしながら軽く胸を反らす男。
「へぇ、なんだかよくわからんが…凄いんだな、アンタ」
「い゛っ!?
な、なんだかよくわからんって…『リオレウス』だぞ!?
あの、“空の王”と呼ばれる!
知らないのかっ!?」
「え?う、うん」
「マジかよ…
おまえ本当にハンターか?」