恋する猫は、月の下~母さんの昔話~
猫は清汰が大好きでした。

一緒にいるとヒゲの先やしっぽの毛がそわそわするのに

とても幸せな気分になるのです。

猫は清汰が何かを話せば、じっくり耳を傾け、清汰に嬉しいことがあれば一緒に喜び

悲しいことがあれば、頬をすり寄せなぐさめました。

猫は清汰のために、自分に出来ることがないか、いつも考えていました。


そして、いつか清汰のために、自分に出来ることをする日がきたら、精一杯それをしよう。


その日のために、清汰のそばにいたいと思いました。

< 10 / 72 >

この作品をシェア

pagetop