恋する猫は、月の下~母さんの昔話~
リクが何か質問すれば、屋敷の人達はみな、呆れた顔をするのです。


リクにとって『わからないこと』は、たいていは誰でも知っていることばかりで

あまりに当たり前のことを真剣に聞くリクに

屋敷の人達はいい顔をしませんでした。
リクの知らないことを教えてくれるのは、いつも清汰だけでした。


「清汰さんに聞いてみよう」

リクは仕事の合間をぬって清汰の部屋へ行きました。
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