恋する猫は、月の下~母さんの昔話~
「あの猫は…どうしているだろう…」

清汰がぽつりとつぶやき、リクは手を止めました。

「前に話た猫のことですか?」

リクが聞くと、清汰は無言で深くうなづいて見せました。

「綺麗な栗色の毛でね。目は外国の海みたいに透きとった水色をしてたんだ。

おっとりした性格だったけど、何かをやらせれば、一生懸命それをして

本当に可愛い猫だった…」

遠い目で、ひとしきり猫のことを言いつのると

清汰は両手で額を抱えるようにうなだれ

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