恋する猫は、月の下~母さんの昔話~
「清汰さん!その猫は…幸せだったと思います…!

猫は…清汰さんに出会えただけでも、きっと幸せなんです」


自分が、そうであるように。

リクには、なぜか、自分の気持ちに自信がありました。

「それに、清汰さんにそんな想われては幸せすぎて…きっともう、お腹がいっぱいだと思います」

「お腹…?…いっぱい?」

リクの迫力に満ちながら、どこか間の抜けた言葉に清汰はぽかんと口を開けた。

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