恋する猫は、月の下~母さんの昔話~
「もう、何もいらないくらい、幸せってことです」
リクは、涙の余韻がない清汰の表情に、
自分の言葉がちゃんと届いたのだと安心しました。
それから、清汰の両手をそっと握り
「清汰さんは、ちゃんと誰かを大切に出来る方です」
清汰を強く見つめたあと、にっこりと笑って見せました。
清汰は「ありがとう」と言って、リクの頭を撫でました。
リクは全身に伝わる清汰の優しい温度を
どこかで知っている気がしました。
きっとそれは、失った記憶の中に眠っているのかもしれない。
もう思い出すことはないかもしれないけど
リクは、それでいいと思いました。
リクは、涙の余韻がない清汰の表情に、
自分の言葉がちゃんと届いたのだと安心しました。
それから、清汰の両手をそっと握り
「清汰さんは、ちゃんと誰かを大切に出来る方です」
清汰を強く見つめたあと、にっこりと笑って見せました。
清汰は「ありがとう」と言って、リクの頭を撫でました。
リクは全身に伝わる清汰の優しい温度を
どこかで知っている気がしました。
きっとそれは、失った記憶の中に眠っているのかもしれない。
もう思い出すことはないかもしれないけど
リクは、それでいいと思いました。