恋する猫は、月の下~母さんの昔話~
そして、ようやく部屋の奥にたどり着きました。

そこには立派な漆塗りの鏡台がありました。

リクは鏡台に近づくと、そっと扉を開いてみました。

磨きあげられた鏡は、まるでその向こうに別の世界があるかのように

静かにこちら側の世界を映しています。

リクは、鏡に映っている自分の姿をじっと見つめました。
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