恋する猫は、月の下~花の名のキミ~
体のどこかわからない場所に、ずどんと重い衝撃が響いた。


鈍い痛みが、体の内側から広がり、内臓を圧迫してくる。


あたしは、ままならない呼吸を必死に繰り返し

その絵をじっと見つめ続けた。


もう、痛みにマヒした体の感覚では

立っているのか、座っているのか


それすら感じることが出来ない。


絵に描かれていたのは


目にまぶしいくらいの


純白の猫だった。




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