恋する猫は、月の下~花の名のキミ~
こんなに美しい完璧な白猫を

あたしは、今まで見たことがない。


「きれい……」


思わずつぶやいた自分の言葉が、余計に胸を苦しくした。


あたしは…


わかっていた



最初から…



恵都があたしじゃなく、別の誰かを見ていたことを。


マシロという名前が、あたしの名ではないことも…
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