恋する猫は、月の下~花の名のキミ~
闇が落ちた空き地は、世界中から音が消えたように静まり返っていた。


空を仰ぐと、頭上には満月が煌々と輝いている。



真上からそそがれる銀色の光を全身に浴び、あたしは月を見つめていた。


「花名!」


「カ…、ナ…?」


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