恋する猫は、月の下~花の名のキミ~
今日も、お気に入りの空き地で空を眺めていると

一匹の黒猫がやってきた。


夜空のような深い漆黒の毛色が、とても神秘的な猫だ。


賢そうに金色の目を細め、黒猫はあたしのそばに寄りそうように座った。


どうも、猫には好かれる体質らしく


実は、この間から綺麗なしま模様の猫にも、あとをつけられている。


警戒心がやたら強い猫で、こちらが意識するとすぐに逃げようとするから


あたしは、わざと気づかないふりをしている。


なんで後をつけられているのか、まったく心辺りはないんだけど


悪い気はしないので、しばらく放っておこうと思う。
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