恋する猫は、月の下~花の名のキミ~

寂しそうな瞳

夏の終わり、澄んだ晴天が続いていた。

あたしは背中のぼさぼさに逆立った毛を、黒兄になめてもらい

お気に入りの空き地にやって来た。


日課になっている、空観察をするためだ。

あたしが、うきうきしながら空き地に足を踏み入れようとすると

「こら、チビ!空ばかり見てないで、ネズミでもつかまえろよ」

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