恋する猫は、月の下~花の名のキミ~
黒猫は、隣で一緒に空を見ながら

ふと気がつくと、あたしの顔をじっと見ている。

『寂しいなら、一緒に眺めてやろう』

今にもそんな言葉を言い出しそうなくらい

あたしの心を見透かしたみたいに、優しい目をする。


「なんだか、お兄さんみたい」

あたしが笑いながら言うと、黒猫は満足そうに「ニャア」と鳴いた。
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