恋する猫は、月の下~花の名のキミ~
「猫の言葉がわかったら、楽しいだろうなぁ」

あたしが黒猫の喉元を撫でながら言うと

少し離れた場所から、いつもの綺麗なしま猫が灰色のしっぽを揺らし、こちらを見ていた。


「おいで」

あたしが手を差し出すと、しま猫はそっぽを向いて行ってしまった。


「ニャア…」

黒猫が鳴く。

『気にするな』

そう言ってるみたい。
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