恋する猫は、月の下~花の名のキミ~
いつもなら、ここで真っ先に空観察を始め

白い雲が見えるまで、ぼーっと空を眺めているんだけど…


今日は、それどころではなかった。

あの人…来るかな…


来ないかな…

青いような灰色のような、不思議な色の瞳。

優しく響く声。

暖かい手。


あたしは目を閉じ、昨日出会った彼の記憶を、思い出せるだけ頭に描いた。


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