恋する猫は、月の下~花の名のキミ~
「今日は、空を見ないの?」

彼は、視線を合わせないあたしを、気にした様子もなく穏やかに話しかけてきた。

「あの…き、今日の空はあまり、好きじゃないから…」

あたしが小さな声で答えると、彼は空を見ながら言った。

「そっかぁ。曇り空は好きじゃないんだね」

彼が言葉を言い終えた瞬間

あたしは、ハッとして目を見開いた。
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