恋する猫は、月の下~花の名のキミ~
「あたしの言ってることが、わかるの!?」

「わかるみたいだね」

彼は軽く笑い、その形を口元に残したまま、目を伏せた。

やっぱり、どこか寂しそうな気がした。

本人は気づいているのか、いないのか


それは、わからないけど、彼から溢れ出る寂しいという感情が

あたしの中になだれこんで、胸のあたりがきりきりとしめつけられるように痛んだ。
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