恋する猫は、月の下~花の名のキミ~
「どうして、そう思うの?」

「だって、あの…とても寂しそうに見えたから…」

彼の問いかけに単純に答えて、あたしは戸惑った。


なぜ、彼が寂しそうに見えたのか…

……わからない

実際、ただ優しそうに微笑んでばかりの彼なのに…


どうして、あんなに寂しそうに見えたんだろう…

あたしが次にどんな言葉をかけたらいいかわからず

黙っていると

「ねぇ…」

彼が、先に話しかけてきた。
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