恋する猫は、月の下~花の名のキミ~
「僕と友達になってくれない?」

そして、思いもよらぬ素敵な提案を投げかけてくれた。

あたしは、すぐにいい返事を返したくてパクリと口を開けたら

「よかった」

彼が先に嬉しそうな表情を見せた。

「……?」


まだ何も言っていないあたしが、首をひねると

「しっぽが返事くれたから」

彼はやんわりと目を細め、あたしのぴんとまっすぐに立ったしっぽを、くすぐるように見つめた。
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