恋する猫は、月の下~花の名のキミ~
けれど恵都は、あたしにそれ以上の質問はしなかった。

ただ嬉しそうに頬をゆるめ

「同じだね。僕もよく空を見るんだけど、本当は雲を見ているんだ」

そう言った。

その時、いつも寂しさをにじませていた恵都の瞳が

一瞬、晴れた気がした。

なんだか、あたしまで嬉しくなる。

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