恋する猫は、月の下~花の名のキミ~
恵都の言葉は謎かけのようだった。

あたしの小さな脳では、その謎をとくどころか

言葉の意味を理解するのがやっとで

「わからないことを思い出すのって、そんなの無理じゃない?」

思わず言質(ゲンチ)をとったような言い方をしてしまった。


恵都が気を悪くしないかと、背筋を冷やしながら、ちらりと彼をみれば

恵都は「そうだね」と言って軽く笑った。
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