恋する猫は、月の下~花の名のキミ~
恵都にまた悲しげな目をさせるのが嫌で
あたしが口をつぐんでいると

それを察したように恵都が話し出した。

「僕は、何か大切なことを忘れているんだ。それが何かわからないんだけどね。


雲を見ていると思い出せそうな気がするんだよ。でも途中でいつもやめてしまう…」

「どうして?」

聞いてすぐに、あたしは思いっきり後悔した。

「一人で雲を見ていると、すごく…寂しいんだ…」




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