恋する猫は、月の下~花の名のキミ~

眠る真実

「おまえ、人間と遊んでるのか?!」

ネズミをくわえて戻ってきたしま兄が

最近、ネズミ取りの練習をさっぱりしなくなったあたしに

不信感たっぷりの視線をよこした。


小さい頃、人間の子供に追い回されたことがあるしま兄は、極度の人間嫌いだ。


恵都と会っていることは、しま兄には内緒にしていたのに…


ばれてしまったのなら、仕方ない。
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