恋する猫は、月の下~花の名のキミ~
第三章

恵都の家

「うちに、来てくれないかな…」

ある日の別れぎわ、恵都が言葉をしぼるように言った。

「うちって、恵都の家?」

「そう、僕の家」

もし、よかったらでいいんだけど…と申し訳なさそうにつけ加えた恵都に

あたしは、あんぐりと口を開けたまま、ぼーっとしていた。


恵都の家に行ける…?


どうしよ…


すごく


嬉しい……

< 66 / 143 >

この作品をシェア

pagetop