恋する猫は、月の下~花の名のキミ~
うっとりまどろみながら恵都の顔を見上げると


なめらかな首筋や形のいい顎のラインが、いつもよりずっと近い位置にある。


思わず、頬をすり寄せたあたしに

「くすぐったいから」

恵都は、困ったように笑った。

その無防備な笑顔は、思った以上にあたしを幸せにした。

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