恋する猫は、月の下~花の名のキミ~
「楽にしていいよ」


「………は…ぃ…」


恵都ににっこり微笑まれても、あたしのがちがちの体は

まったく柔らかさを取り戻さない。

それどころか、このまま石になってしまうんじゃないかと思うほど固まり


呼吸すらあやうい。

絵を描くモデルになってほしいと頼まれ、モデルの意味がわからず首を傾げたあたしを

恵都は抱きかかえ、広いソファに寝かしつけた。


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