恋する猫は、月の下~花の名のキミ~
かたく誓ったあたしは、恵都が黒い絵の具を使う日を楽しみに待つことにした。


この斑点を綺麗な花びらみたいに描いてくれる日。



あたしは、その日まで背中の毛づくろいを、きちんとすることにした。


黒兄もしま兄も、きっと驚くだろうな。


それを考えると、くふふと笑いがこぼれてしまう。


あたしは、恵都が背中の斑点模様を描く日を


ひたすら待った。


いつかな…

明日かな…


あさってかな…


その日は、なかなかこなかったけど


あたしは、ずっと待ち続けた。





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