恋する猫は、月の下~花の名のキミ~
恵都を見ていると、辛そうなのは確かで

見ていれば、あたしまで辛くなってくる。


けれど、以前からふと感じる、恵都の中にある寂しさを

この頃は、あまり感じない。


恵都から寂しさが無くなればいいと思っていたし


そのために、恵都が忘れている何かを思い出せるなら

あたしは力になりたいと思っていた。


それは、あたしにとっても嬉しいことのはずで…


なのに…


なぜか、素直に喜べない。




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