錘~tumu~
「慟哭」

これが彼の運命だった

これが彼の天から与えられた寿命だった

悟ったように
静かに言う人たちよ

私も

かつて

そんな

表現をしたことがある

一日でも一秒でも前を見て欲しくて

でも

そんなもんじゃなかった

無くしたものの

心持ちは



静かな穏やかな川面であろうと

努めていても

時々

何もかもひっくり返して
何もかもめちゃくちゃにして
狂ってしまいたい
叫んでも叫び足りない

まるで

内蔵を我が手でえぐり出して外気にぶちまけてしまいたい

そんな

慟哭を
妄想の中に閉じこめて

今日も普通に淡々と過ごす



             2010,2,27









君の笑顔永遠に失うとわかっていたら我はどうしていた
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