恋愛アシンメトリー!
だからこそ、俺は純粋に恋がしたい訳。解る?
なんて、あっちゃんに詰め寄ったら解らん解らんと笑われた。
良いよね、モテる男はさ。
あっちゃんに頼まれて合コンのサクラ役よくやるけどさ、もうあっちゃんのモテるの何のって!!
必ず俺とイイ雰囲気になるように仕組んで誰もお持ち帰りする事無く俺と帰るけどさ。つまり周りには俺がお持ち帰りされてるように見えるじゃん?
なのに参加した女の子全員のアドレスゲットしてるってもう何?何な訳?
どんだけモテるんだお前。モテ過ぎて苛々するわボケ。
そんなあっちゃんにも本命さんが居たりするのは俺しか知らない。
会わせて貰った事は無いけどさ、同じくクリエイター仲間らしくって、冗談も通じれば馬鹿と見せ掛けながらも実は頭良いらしくって笑顔が可愛くって何か色んな人から慕われててさ、それなりに綺麗な人なんだそうだ。そんで抱き締めたいぐらい可愛いんだって!
知るか馬鹿!!ノロケは付き合ってからにしろこのボケが!
所がどっこい、あっちゃんには告白する気なんてサラッサラ無いらしい。
何で告んないのーと、飲み明かす度に聞いてる気がするが、あっちゃんは決まって向こうの恋愛対象に入って無いからなぁとウィスキー片手に笑うんだ。
あっちゃんはモテ過ぎるから、相手の子がさ、自分が好かれてるの気付いて無いだけなんじゃねぇの?って俺がウォッカ片手に口走ればどうだろうなぁとまた笑うんだ。
まぁ、本命さんが居るにも関わらず、彼女とっかえひっかえしているあっちゃんに、両想いなんて美味しい結末が待ってる筈が無い。
うん、絶対。
「そういやぁ、霰ちゃんの彼氏居るべ?」
「んー?涼二朗がどうかした?」
「霰ちゃんが卒業したら二人暮らししたいと思うけどどう思うかって聞かれた」
「爆ぜろリア充」
お前がそう言うから霰ちゃんの兄貴的立場の俺に相談するしかねぇんじゃねぇかと苦笑するあっちゃんには悪いがもう妹とその彼氏に対してはリア充過ぎて溜め息とバルスの掛け声しか出て来ない。
「別にさぁもうお互い二十歳超えてるんだし同棲するのに問題は無いと思うけどさぁ…」
個人的に贈る言葉と言えばもう、「果てろ」か「爆ぜろ」か「バルス」しか無い訳。
俺絶対間違ってない。
「リア充なんか吹っ飛べば良いんだぁー!!」