純愛♡ごっこ
 

痛さと怖さに泣く幼児を、叩けば更に泣くのは当たり前のこと。

なのに、母は自分の気が済むまで、あたしを叩いた。


押し入れに閉じこめられたり、外に放り出されたり‥。

罰を与えることがシツケだと、本気で思っていたのかもしれないけど‥。


幼いあたしは、ただ怖くて、叱られた原因さえも分からなくなっていた。



「夕凪!分かったの?!」


「はい‥。」


返事をしなければ、またぶたれる。

暴力を避ける為の返事を、しゃくり上げながら、あたしはする。


毎日が、その繰り返しだった。


 
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