純愛♡ごっこ
失敗をしなければ、母は機嫌が良かった。
けれど、父と夫婦喧嘩をしては、父に殴られていた母は、あたしに八つ当たりをした。
あたしには、いつだってココロの安定する時なんか無くて‥。
常に、母の顔色を窺っているような子供だった。
母は怖い。
それが今でも、あたしの中にある母の印象。
両親が他界した今も、そのイメージは拭えない。
父は、毎晩、帰って来るのが遅くて、あたしは朝に少し顔を合わせる程度で‥。
抱っこやおんぶをされた記憶は、悲しいかな残っていない。
存在感の薄い父親だった。