純愛♡ごっこ
 

両親は願いを聞き入れてくれた。

二人は、あたしと叔母が病院に着く前に亡くなっていた。


ずっと仲違いしていたくせに、死ぬ時は一緒だなんて、皮肉なもんだ。



「ありがとう。パパ、ママ。」



─ 消えてくれて‥



お通夜でもお葬式でも、涙一つ見せないあたしを、大人達は訝しそうに見ていた。

だけど、あたしは、少しもそれが悪いことだとは思わなかった。



─ ユーナを苦しめた罰や‥



そう思っていたんだ。


そして、親を失ったあたしは、父の妹である叔母に引き取られることになった。


それが地獄行きのチケットを掴むことになるとは知らず、幼い胸は弾んでいた。


 
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