純愛♡ごっこ
 

─ ケイのヤツ‥

  今度会ったら覚えとけよ‥



こんな屈辱感、あの頃以来だ。


二度と思い出したく無いこと。

固くココロに封印していたことが、頭の中に蘇る。



─ アノコ、見てたんかな‥?



記憶を振り切るように、あたしはブンブンと頭を左右に振った。


「名前、教えてや。ま、ケイに訊いたら分かることやけどな。」


答えないあたしに苛ついているのか、運転席側の窓を開け、シンはタバコに火をつける。



どーせ、後でバレるんなら同じこと‥

それに、あたしは、人の口を通して自分のことを語られんのが嫌いだ‥



「ユーナ。」


あたしは、シンに自分の名前を告げた。


 
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