純愛♡ごっこ
 

中学三年生になり、地元の高校に進学することを決めた。

恭介もマミも、高校に行くと言ったから。



「高校には行きたい。けど、ひとりで住みたいねん。親の保険金あるやろ?返して。」


生意気な口を利くあたしを、叔父は殴り付けた。

そして


「子供が何を言っとるんや!」


大声で怒鳴って立ち上がり、あたしを蹴飛ばした。


「やめて!夕凪ちゃんは女の子なんよ!」


叔母さんがあたしを庇う。


きっと、保険金なんてギャンブルに使い込んでいるんだ。

あたしは、叔父を睨んだ。


「夕凪ちゃん、お願い。叔父さんに謝って。ね?ね?」


謝らなければ、次は叔母さんが殴られる。


あたしは、仕方なく切れた唇で


「ごめんなさい。」


と、謝った。


 
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